実はiPhone8より重要なiOS11に関する完全64bit化のメリット

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iPhone8よりiOS11の革新が待遠しい

序章はiOS8から

Appleは、2015年2月1日からすべてのAppストアへの申請は、64ビットサポートとiOS 8 SDKでのビルドが必要になると発表しました。

これが序章でした。

iPhone 5Sから搭載されているApple A7は64ビットコードを32ビットコードと比較して30%高速に実行することができます。iPhone 6からのApple A8は、さらに40%以上高速に実行することができます。64bitにするメリットは処理が早くなることです。

iPhoneはすでにほぼ64bit化している。残るはソフトウェアの対応のみです。

iOS10までに主要部分のコードは64bitに最適化されており、搭載されているCPUの性能を生かすことは出来ている。次は32bitアプリケーションの駆逐です。

これによってiOSの中のソフトウェアの容量も削減されます。iOS10までの現在は言わば32bit&64bitが混在している状況です。コードはよりスッキリとします。ドライバーも64bit専用だけで済みます。

iOSが完全に64bit化した場合の利点として、32ビットと64ビットバージョンのSDKフレームワークを読み込む必要がないため、全体のメモリ使用量を削減することができます。

iOS10では32bitアプリも動作可能ですが、これが次期iOS11で動作しなくなる予定です。

次期iOSの登場で危惧される「32ビット版アプリ大量絶滅時代」の到来
2017年内にもリリースされるとみられる次期iOS「iOS 11」からは、旧来の32ビット環境で作られたアプリケーションが動作できなくなることが確実視されています。これによりiOSアプリの登場から続いてきた32ビット版アプリの時代は終焉を迎え、数々の名作とされるアプリが姿を消す危機に瀕しています。

開発の止まったままの昔の名作アプリが動作しなくなるだろう。でも、メリットの方が多いのでその決定は正しいと思います。

iPhoneのCPU遍歴と64bit対応状況

下記の通りになります。

iPhone 4sApple A5512MB32bit
iPhone 5Apple A61GB32bit
iPhone 5cApple A61GB32bit
iPhone 5sApple A71GB64bit
iPhone 6Apple A81GB64bit
iPhone 6sApple A91GB64bit
iPhone 7Apple A102GB64bit
iPhone 7PlusApple A103GB64bit

iPhone5sより前の機種はiOS11ではサポートされないと予想されます。

iPadのCPU遍歴と64bit対応状況

iPad 4Apple A6X1GB32bit
iPad miniApple A5512MB32bit
iPad AirApple A71GB64bit
iPad mini2Apple A71GB64bit
iPad Air2Apple A8X2GB64bit
iPad mini3Apple A71GB64bit
iPad Pro 12.9Apple A9X4GB64bit
iPad mini4Apple A82GB64bit
iPad Pro 9.7Apple A9X2GB64bit
iPod touch 6世代Apple A81GB64bit

こちらもiPad Air前の機種はiOS11サポート外と予想されます。

iOS10.3はiOSの集大成になる

以前から今年、2017年のAppleの最大の革新目玉とお伝えしている

WWDC 2016とApple FileSystemへの期待
WWDC 2016 私も夜寝ないで見ました。 新しいハードウェア(特にMacBookPro)の発表が無く、がっかりされた人も多かったみたいですが、より昔のAppleらしく型にはまらず、熟さないものは発表せず、よりユーザーや開発者目線での革新...

Apple File System (APFS) は64bit必須の次世代ファイルシステムです。Appleが32bit対応の最終iOS10.3で急いでApple File System (APFS) を対応させてきたその理由は集大成だからです。

これで以前のiOSとアプリケーションとの橋渡しは整いました。今後のiOSではCPU 64bit Apple A7以降、内蔵メモリ 1GB以上の機種で最適な動作をするようにiOS11とApple File System (APFS) を全開でチューニングしてくるようになるでしょう。

すでにApple File System (APFS) が搭載されたiOS10.3ですら、iOS10.2に比べてレイテンシー(動作の遅延)が低いと感じます。iOS上で複数のアプリを切替える動作が非常に早くなっています。

iOS10.3 PB5

iOS10.3 PB5

iOS11ではされに速度、安定性の向上が望めることになります。Android陣営に対して、また、Appleは1歩先へ進むことが可能なのです。

一般ユーザーのiOS11への願い

大半のユーザーはAppleのデバイスが32bitだろうと64bitだろうと関係ありません。そんなことは全く意識していないのです。CPUがなんであろうと関係ないのです。そのためにAppleはiOS11でも64bit対応を前面で謳うこともないでしょう。普通に使っている人たちは下記のような願いがあるでしょう。

  • 今のiOS10よりもっと快適にアプリを動作させたい
  • よりセキュリティが高く、安全に使いたい
  • 撮影した写真や音楽などのデータをスムーズに管理したい
  • iPhoneの中の容量をもっと空けたい
  • 何も意識しないで長年安定して利用したい

iOSとmacOS等のAppleのOSは上記のユーザーの願いを誰にでも簡単に使えるレベルに洗練して、提供してくれることでしょう。WindowsやAndroidが最新のOSバージョンの移行に手間取り、そのソフトウェアの最適化に戸惑っている間にAppleは着実にハードとソフトウェアを全面的に64bit化しています。我々ユーザーはその恩恵を受けるだけです。今年、秋もiOS11の革新に期待しましょう。

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